ひとくちにPDFといっても
ひとくちに「PDF」といっても、その種類は様々です。インターネットで閲覧できるもの、CDなどで配布されるもの。「PDF」と、ひとくくりにされていますが、用途によってその形態は多様にあるのです。
そもそも「PDF」とはなんでしょうか
「PDF」とは、アドビシステムズが開発した、「特定の環境」(OS、アプリケーションソフト)に左右されず、文章や画像をレイアウトのまま表示できる「書類フォーマット」です。「世界標準の文書管理フォーマット」といえます。
誰でも、その「文書」が開く環境に影響されずに、作られたレイアウトどおりにみることができるということです。「PDF」をみるソフトで代表的なものが「アドビリーダー」です。無料でダウンロードできます。
印刷に適したPDFとは
「PDF-X」とは、印刷に適したPDFの規格です。印刷時に出力エラーを起こさないための最低限の基準を取り決めたものです。安全に出力するための基準となります。「PDF」は前述したとおり様々な形式のものが混在しており、そのなかでも印刷に適した基準に沿ったものを『PDF-X』として区別しているのです。
「PDF」の種類って
「PDF」にはいくつかの種類があります。その用途によってふさわしいとされる「規定」があり、その規定に沿って作られた「PDF」を分類すると、以下のようになります。
『PDF-X』 印刷用に適したPDF
『PDF-A』 長期保存に適したPDF
『PDF-E』 エンジニア文書向けPDF
フォント
PDFを書き出す際、OpenTypeフォントを使用している場合は文字情報が埋め込まれますので文字のアウトラインを取る必要はありません。OpenTypeフォント以外を使用している場合は、かならず文字のアウトラインを取ってください。
規格と透明機能
PDF/XにはPDF/X-1a、PDF/X-3 およびPDF/X-4の3種類があり、種類によっては複数のバージョンが存在します。一般的な印刷向けの規格PDF/X-1aは透明機能がサポートされておらず、透明効果は分割・統合で処理されます。そのため制作者の意図しない出力トラブルが起こることがあります。透明機能がサポートされたのはPDF/X-4からです。
PDFを書き出す際に選択する「PDF書き出しプリセット」を決定する基準として、
●透明機能を使っていない場合 →「PDF/X-1a」
●透明機能を使っている場合→「PDF/X-4」 で選んでください。
また、「PDF/X-4」規格の形式をサポートしているのはCS3からのため、
●CS2で透明機能を使用した場合 →「プレス品質」 を選んでください。
以上の基準でPDF書き出しプリセット選択した後、マニュアルに記載してある通りに各設定を行ってください。
PDFのバージョン
PDFは現在に至るまで継続的に改良・開発が行われ、バージョンが更新されるたびに新しい機能を取り込んでいます。
このため、制作時に使用した効果等をサポートしたバージョンのPDFでないと、制作者の意図とは違うPDFが作成されてしまうこともあります。
PDFのバージョンを注意することでエラーを回避できることもありますので、PDF作成時・作成後にPDFのバージョンを確認し、作成されたPDFが正しい表示をしているかを確認する必要があります。
PDFバージョン | PDF1.2 | PDF1.3 | PDF1.4 | PDF1.5 | PDF1.6 |
---|---|---|---|---|---|
Adobe Acrobat対応 | Acrobat3.0 | Acrobat4.0 | Acrobat5.0 | Acrobat6.0 | Acrobat7.0 |
規格対応 | × | PDF/X-1a PDF/X-3 |
PDF/X-4 | ||
日本語フォントの埋め込み | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
OpenTypeフォントのサポート | × | × | ○ | ○ | ○ |
透明機能のサポート | × | × | ○ | ○ | ○ |
JPEG2000形式のサポート | × | × | × | ○ | ○ |
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