日本語組版「読みやすい文章」
組版とは
活版印刷(活字を使って行う印刷)では、「活字」と呼ばれる鉛で出来た文字を一つずつ拾い、組み合わせ、文章に従って並べていくことを「文字を組む」と言いました。
また、それらを印刷できるように整えて一つのまとまった版を作ることや、活字を並べて結束糸で縛ったものを「組版」と呼んでいたので、活字を拾う印刷所が少なくなった現在でも、この「組版」という言葉が使われています。
読みやすさを考える
目に留まる印刷物を作るためには、インパクトのある写真や画像、おもしろいキャッチコピー、大きな文字、目立つ色遣いなどの要素が重要です。
そして目に留まったものの内容を「読もう」と思わせるのに大切なのは、本文の「文字組」の美しさ、読みやすさなのです。
普段何気なく読んでいるものでも、文章を読みやすくするために、文字の詰め方、行の間隔など、様々な工夫がされています。
文字数
読み手や内容によっても、「読みやすさ」のかたちは変わってきますが、長文の文字組みで最も大事なことは、文章を読む上で邪魔にならないということです。
そのために行われる対処には様々なことがありますが、まず挙げられるのは1行の文字数です。
1行の文字数が少なすぎると、視線を移動させる回数が多くなって目が疲れてしまいます。
(テンポが求められる文章では、効果的な場合もあります。)
また、1行の文字数が多すぎると、行末から次の行の先頭への視線の移動距離が長くなってしまいます。
移動距離が長くなると、疲労感も増す上に、次行の行頭を見失いがちになるので、スムーズに続きを読むのに支障が出てしまうこともあります。
無理なく読める1行の文字数は、縦組みの場合は20~45文字程度、横組みの場合は15~35文字程度といわれてます。
文字のアキ
行間の調整、文字と文字の間の調整なども読みやすさに大きく関わってきます。
ここでは文字と文字の間をちょっと見てみたいと思います。
それぞれの文字の形に合わせて文字のツメを調整した形。見た目は綺麗ですが、アキが一定でないので少し読みにくい場合も。
文字間が均等送り(ベタ組)の状態。文字によってはアキが気になるとことも出てきますが、視線の移動速度は一定になるため、一般的に読みやすいとされる形です。
文字を「組む」ということ
上に書いた事の他にも、文字組みにはさまざまな要素や約束事があります。
また、「読みやすさ」は文字のフォントや大きさ、内容などによって変動するのものなので、絶対的なルールは存在しません。
実際に色々見比べてみて、自身の制作に役立てたり、自分の好みを見つけたりするのも面白いのではないでしょうか。
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