これは、ある本の表紙に使用したものです。白インキトレーシングペーパーに白インキで印刷しました。

半透明の表紙に白い蝶が浮き出て、とても上品な仕上がりになっています。

トレーシングペーパーをカバーや帯に使うことは珍しくないと思いますが、表紙として用いるために様々な苦労がありました。

 

まず、蝶を浮き立たせるため、白インキを2度印刷しました。

そして、そのままではこすれてインキが落ちてしまう心配があったため、白い蝶のうえに、透明のニスを2回印刷してこすれ防止としました。

最大の難関は、表紙として使用するために、背の部分の糊を見えなくするにはどうしたらいいか、ということでした。

何度もテスト印刷をくりかえしました。

ホットメルトの糊が思ったより黄色く、背の部分が黄色くみえてしまったりしたこともありました。

糊の黄色を隠そうとして背の部分に白インキを印刷すると、今度はインキが邪魔をして糊が付かず苦労しました。

何度も印刷をするのでインキが乾かずに待ち時間が出てしまったり、インキが乾きすぎても乾かなすぎても、ニスがうまくいかずやりなおしたり、と試行錯誤の連続でした。

 

ようやく、製品ができあがったときは、満足感よりも「本当に大丈夫か」という不安のほうが大きかったです。

 

お客様から「大変満足している」と喜びの声をいただいたときは、社員一同安堵しました。

 

表紙にひらひらと舞う蝶の下には、別の蝶がうっすらと影をのぞかせ、とても幻想的な表紙です。静謐な、白の風景をひきしめるために用いた金色の文字が、神々しく格調高く輝いています。

 

思い出深い製品となりました。

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