以前は、印刷物を作成するためにはIllustratorやInDesignなどの
組版専用ソフトでデータを作成する必要がありました。
弊社でデータを作成する際にはもちろん組版専用ソフトを使用していますが、
最近ではお客様がご自身で作られたオフィスデータを印刷してほしい、という物件が増えてきました。

お客様が使用するソフトは、ワード、エクセル、パワーポイント、一太郎など・・・。
ビジネス文書を作成するにはお馴染みのソフトですが、印刷物を作成するには不向きなものです。

とくにオフィスデータで難しいのは、ソフトのバージョンです。
98、2000、2003、2007、2010・・・さまざまなバージョンがあります。
作成しているソフトが2007でも、会社の環境によっては97-2003と互換性の取れる形式で保存されるケースもあるでしょう。

オフィスデータが難しいのは、データを開いたソフトのバージョンによってレイアウトが変わってしまうことです。
作った時と同じバージョンでデータを開かないと、文字がずれたり、消えたりしてしまいます。
さらには透明効果やドロップシャドウなどの効果を付けているとその部分だけ見た目が変わってしまうこともあります。
※2007等で作成したデータを「word97-2003文書」を選択して保存し、2003で開くとレイアウト崩れ、文字化け等のトラブルが発生することがあります。

お客様がオフィスデータで作られたものをそのまま再現することは難しく、
弊社でも数年前までは「ここはどうしてもレイアウトが崩れてしまう」ということがありました。

しかし現在では、オフィスデータのレイアウトの崩れを最小限にとどめて印刷用データに変換する「Officeそのまま印刷」という製品を取り扱っています。
オフィスの各バージョンを専用機にインストールし、オフィスデータ変換専用のソフトを導入しました。
オフィスデータには出来なかった「塗りたし」の作成や、変換途中でのノンブルの振り直しなども対応できるようになっています。
作業的には互換性のないデータを変換させるのですが、以前に比べかなり精度は上がりました。

数年前には様々な変換手段やソフトを使って四苦八苦していたオフィスデータですが、その頃に比べると格段に作業スピードもあがり、お客様の要望に対応できるようになったと思います。
最近では「Officeそのまま印刷」をご利用していただくお客様がかなり増えたな、と感じています。

Officeデータ印刷のご注意点

色の変化

RGB RGBとは、Red(赤)・Green(緑)・Blue(青)の合成による発色方式です。テレビやパソコンのモニターやデジタルカメラの色表現に使われています。
CMYK CMYKとは、Cyan(シアン)・Magenta(マゼンタ)・Yellow(イエロー)・blacK(ブラック)の合成による発色方式です。印刷にはCMYKカラーを使用します。

入稿していただいたデータにRGBカラーが含まれる場合、当社にてCMYKカラーに変換を行います(4色フルカラー注文をいただいている場合のみ)。その際、色目が大きく変わる場合もございますのでご注意ください。
※Office系ソフトは、データが全てRGBカラーで作成されています。当社にてカラーモードをRGBからCMYKに変換する際、色目が変わる場合があります。

RGBカラーをCMYKカラーモードに変換すると…
RGBカラーとCMYKカラー

フォントの化け

弊社のPC環境に無いフォントをご使用されている場合、他のフォントに置き換えられます。
また、弊社の作業環境がWindows7のため、データを作成されたパソコンがWindowsXP以前であると、文字セットの違いにより、文字の形が変わる事があります。

フチなし印刷ご希望の場合

仕上がりサイズの端まで画像や塗りなどをデザインされている場合は、仕上がりサイズより3mm外側まで絵柄等を伸ばす必要があります(これを「塗り足し」と言います)。
●塗り足しとは
余白を出さないデータの作り方-図解

しかしオフィスソフトでは塗り足しの設定が行えません。端まで画像や塗りがないデザインで作成する必要があります。
塗り足しがない場合、断裁時に余白が出る場合がありますが、ご了承下さい。
●塗り足しがなかった場合の仕上がり例
塗り足しがないデータで仕上がったもの-図解

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